■栃木は大型補強で攻守にスケールアップをはかる

 大型補強を敢行したのは17位の栃木だ。中断を待たずにGKオビ・パウエル・オビンナ、CB三國ケネディエブス、右サイドバック黒崎隼人、元日本代表FW豊田陽平を獲得し、第2登録期間には京都からMF谷内田哲平、千葉から左右両サイドに対応するDF溝渕雄志を引っ張ってきた。

 黒崎と溝渕は昨シーズンまで栃木でプレーしており、田坂和昭監督のサッカーを理解できている。23試合で30失点を喫した守備を改善し、谷内田と豊田の加入で攻撃力アップも実現するための人材を確保した。

 18位以下の5チームは、的を絞った補強だ。

 18位の群馬は、ジュビロ磐田のCB大武峻を迎えた。19位の北九州は、昨シーズン在籍したDF福森健太大分トリニータから、2列目左サイドの椿直起横浜F・マリノスから、期限付き移籍で呼び戻した。

 椿は昨年11月末に北九州から所属元の横浜FMへ戻り、12月からオーストラリアのメルボルン・シティの一員となった。同国Aリーグで15試合1得点の成績を残し、再び北九州の一員となった。

 20位の愛媛FCは松本からサイドプレーヤーの高木利弥、山形からCBの栗山直樹を獲得している。6月から戦列を離れていたMF川村拓夢が、ピッチに戻ってきたのもプラス材料だ。

 21位に甘んじる大宮は、41歳のGK南雄太、FW河田篤秀を加えている。霜田正浩監督は「複数得点を取って勝つ試合」を目ざしており、徳島ヴォルティスで2ケタ得点をマークしたこともある河田は即戦力としての補強だ。

 最下位のSC相模原は、高木監督の就任とともに6選手を獲得した。いずれも19歳のDF藤原優大、DF木村誠二、MF成岡輝瑠、FW兒玉澪王斗は大きな可能性を秘めており、33歳の高山薫は湘南ベルマーレでJ1昇格の経験を持つ。6日には横浜FMなどでプレーしてきたMF兵藤慎剛の獲得も発表された。36歳の経験者は昨シーズン限りで仙台を離れ、今シーズンここまで所属先がなかった。

 高木琢也監督の戦術に新戦力がフィットすれば、面白いチームになりそうだ。ただ、相模原はすぐに結果を残さなければいけない立場である。新加入選手を適応させながら、勝点を稼いでいかなければならない。

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