■名波監督の松本は攻撃陣が一気に充実
順位表のボトムハーフへ目を移すと、13位のファジアーノ岡山が意欲的だ。J1の清水エスパルスからMF石毛秀樹を期限付き移籍で獲得した。17年にも期限付きでプレーしたこの26歳は、今月2日の天皇杯3回戦で新天地デビューを飾ったが、この試合で右太もも肉離れを起こしてしまった。全治まで1か月から1か月半と診断されており、J2のピッチに立つのは9月以降となりそうだ。
五輪戦士もやってくる。オーストラリア代表のオーバーエイジとして東京五輪に出場したミッチェル・デュークが加入したのだ。30歳の大型FWは15年から18年まで清水でプレーしており、石毛と一緒にプレーしている。
さらに、ブラジル人FWのブレネー・マルロスも前線に加えた。20年シーズン限りでタイのクラブを退団し、およそ半年にわたって無所属だったため、ゲーム体力とゲーム勘を取り戻すことが先決となる。
岡山と同勝点で15位のレノファ山口FCは、FW大槻周平をリスト入りさせた。湘南ベルマーレ、ヴィッセル神戸、モンテディオ山形、ジェフユナイテッド千葉と渡り歩き、19年に山形で12ゴールを記録している。
渡邉晋監督がかつて指揮したベガルタ仙台からは、レフティーの田中渉を迎え入れた。ボランチを主戦場とする20歳は、セットプレーのキッカーとしても機能する。ピンポイントの補強により、FWと中盤の選手層を厚くした。
名波浩監督のもとで巻き返しを期す16位の松本山雅FCは、横浜FCからFW伊藤翔を呼び寄せた。昨シーズンまで背番号10を着けたブラジル人MFセルジーニョも、韓国のクラブから復帰している。
さらに、シーズン前半戦はわずか1試合の出場に終わったブラジル人FWルカオが、戦列に戻ってきた。昨シーズン終盤の大ケガで治療とリハビリに専念してきたFW山口一真も、後半戦は新天地デビューを飾れる見込みだ。
昨シーズンのルカオはツエーゲン金沢で10点、山口は水戸ホーリーホックで15得点をマークした。セルジーニョは9得点をあげている。中断前の23節では18得点に終わった松本だが、彼ら3人を中心としたコンビネーションが確立されれば、ひとケタ順位も視野に入ってくるはずだ。