【「2022-23年」J2「個人昇格」&「補強」最前線】「イニエスタと共闘」MF郷家友太は“アカデミー出身”のベガルタ仙台へ、「32歳」ベテランSB吉田豊は清水エスパルスの「J1復帰」のカギに!【戸塚啓のJ2のミカタ特別編】(2) の画像
頼もしいベテランSB吉田豊は清水に移籍  撮影:中地拓也
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■北九州で名を馳せた高橋が町田の一員に

 活発な動きがあった「J2の移籍市場」――。

 J2各クラブにも、楽しみな移籍を見つけることができる。

 青森山田高校の黒田剛監督を指揮官に迎えたFC町田ゼルビアは、清水エスパルスからMF高橋大悟を完全移籍で獲得した。

 23歳の技巧派レフティーは2019年途中に当時J3のギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍し、14試合出場7得点3アシストの結果を残し、チームのJ2昇格とJ3優勝に貢献した。

 21年も引き続き北九州に在籍し、ディサロ・燦・シルヴァーノ町野修斗らの攻撃陣と連携し、前半戦首位ターンの立役者となった。4-4-2の2列目右サイドやボランチでも起用され、9得点6アシストをマークした。複数の主力選手がチームを去った翌21年も北九州に残り、下位に沈むチームで10得点3アシストと奮闘した。

 22年は所属元の清水に戻ったが、わずか6試合の出場に終わった。得点もアシストも期待できる高橋は、京都サンガF.C.へ移籍したMF平戸太貴に代わる攻撃の中心となるはずだ。

 高橋が去った清水には、名古屋グランパスからSB吉田豊が加入した。32歳の左サイドバックは12年から14年まで清水に在籍しており、9年ぶりの復帰となる。J2でプレーするのは、ヴァンフォーレ甲府に在籍していた10年以来だ。

 清水はオフの移籍市場で立田悠悟片山瑛一ヴァウドらが最終ラインから抜けており、左SBはもちろん右SBやウイングバックにも適応する吉田は、高い経験値も含めてチームに多様性と安定感をもたらすだろう。最終ラインの組合せを豊富にし、活力を注入してくれる存在だ。1年でのJ1復帰を目ざすチームには、頼もしい補強と言える。

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