■チョウ監督はリバプールを例に選手を鼓舞

 9月4日のヴァンフォーレ甲府戦に敗れた京都は、延期されていた松本山雅FC戦を7日に消化していた。アウェイの松本戦は、2対2のドローに終わっている。2試合連続で勝利を逃し、リバウンドメンタリティが問われる局面で、チョウ監督はプレミアリーグの強豪をモデルとした。

 昨年10月のアストン・ビラ戦で、リバプールは2対7の大敗を喫した。7失点は実に57年ぶりだった。15年10月のユルゲン・クロップ監督就任以来、「最悪の敗戦だ」と現地メディアは伝えた。

 海外サッカーに詳しいチョウ監督のなかで、リバプールと京都が重なり合った。

「アストン・ビラに負けた試合とそのあとの結果を選手たちに説明して、強いチームは負けたからこそ自分たちの立ち位置にもう一度戻って、みんなでプレーすることを思い出す、と。それが強いチームの秘訣」

 翌週のリーグ戦ですぐに立て直したリバプールは、チャンピオンズリーグでも白星を重ねていく。チョウ監督は当時のプレミアリーグ王者の足跡をたどることで、選手たちを奮い立たせたのだった。

 6ポイントマッチを制した京都は、勝点を61として琉球との差を「10」に広げた。勝点51で3位のアルビレックス新潟モンテディオ山形に敗れたため、磐田と京都は一歩抜け出している。

 3位以下は混戦となった。新潟と琉球に加えて3連勝のFC町田ゼルビア、2連勝の甲府の4チームが、勝点51で並んでいる。

 勝点49で7位の山形、勝点48で8位のV・ファーレン長崎は、ミッドウィークに直接対決がある。大雨で延期された25節が、14日に行なわれるのだ。

 J1昇格争いに踏みとどまるには、負けられない一戦である。

 負けたらJ1昇格争いから脱落する一戦である。

 生き残るのは、どちらのチームか──。

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