J1昇格戦線動きアリ(2)京都・仙頭、移籍即爆発の長崎FW、北九州のドリブラー…J2を席巻!横浜F・マリノスローン選手【戸塚啓J2のミカタ】の画像
仙頭啓矢(京都サンガF.C.)  写真:アフロ

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■J2を支える「J1からの期限付き移籍組」

 徳島戦で1得点1アシストを記録した京都の仙頭啓矢は、横浜F・マリノスから期限付き移籍中の選手だ。昨シーズンのJ2で36試合10得点をマークしてF・マリノスに引き抜かれたが、自身初のJ1ではリーグ戦3試合の出場にとどまり、9月末に古巣へ復帰したのだった。

 F・マリノスからJ2のクラブへ期限付き移籍しているのは、仙頭だけではない。多くの選手が活躍している。

 8月に松本山雅FCの一員となった前貴之は、オールラウンドな能力を発揮して21試合に出場している。同じく8月にジュビロ磐田入りしたCB山本義道は、15試合でピッチに立っている。前は昨シーズンまでレノファ山口で、山本はツエーゲン金沢でプレーしていたこともあり、J2の戦いに素早くフィットできたのだろう。

 また、10月末に長崎に招へいされたエジガル・ジュニオは、6試合出場で4得点をマークしている。昨シーズンのJ1で11得点をマークしていた29歳のブラジル人FWは、シュートシーンでの精度と冷静さですぐさまチームに不可欠な選手となった。

 シーズン開幕当初からJ2でプレーしている選手では、ギラヴァンツ北九州のMF椿直起ヴァンフォーレ甲府のMF泉澤仁水戸ホーリーホック山田康太FC町田ゼルビアのMF吉尾海夏らが、シーズンを通してピッチに立っている。さらには北九州で5試合に出場しているCB生駒仁、水戸で11試合出場のMF山谷侑士も、F・マリノスからの期限付き移籍だ。

 J1のクラブの多くは、10代後半から20代前半の選手をJ2に期限付きで移籍させている。

 得点ランキング3位の山口一真(水戸)と同4位タイの垣田裕暉(徳島)は、所属元が鹿島アントラーズだ。アビスパ福岡で守備の中心となっているCB上島拓巳、レノファ山口でシーズン途中から出場機会を伸ばしてきた田中陸は、柏レイソルからの期限付き移籍である。アルビレックス新潟でパワフルなプレーを見せているDF田上大地(27歳)、アビスパ福岡でシーズン序盤は先発も多かったMF菊池大介(29歳)も、レイソルからレンタルされている選手だ。

 J2で結果を残した選手たちには、J1への“個人移籍”の道が開けてくる。J2での成績を引っ提げてJ1の所属元へ戻る選手がいれば、J2のなかでステップアップを果たす選手、所属元へ戻らずにJ1のクラブへ完全移籍する選手もいる。

 3チームによる昇格争いとともに、個々の選手のパフォーマンスも気になる終盤戦である。

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