■久保建英の盟友・山田康太が柏へ完全移籍
カタールW杯の熱狂の陰で、Jリーグ各チームは新シーズンへの準備を着々と進めてきた。今オフもJ2からJ1への個人昇格が目立つ。J2で力を蓄え勇躍J1へ、という移籍が多いのだ。
その筆頭格がMF山田康太だろう。2018年、横浜F・マリノスの下部組織からトップチームへ昇格(アンダー世代の日本代表でも一緒だった久保建英ともプレーした)。20年は水戸ホーリーホックへ、21年はモンテディオ山形へ期限付き移籍し、22年は完全移籍でプレーした。2チームで合計112試合出場16得点11アシストの記録を残した。実践経験を重ねた23歳は、柏レイソルへの完全移籍を勝ち取った。
トップ下やセカンドトップを主戦場とし、違いを作り出せる存在だ。エレガントな10番タイプであるがゆえに、かつてはオフ・ザ・ボールの局面でハードワークしきれない印象もあったが、J2での3シーズンで現代サッカー仕様にアップデートしてきた。球際の攻防でもしっかりとバトルできる。山形で見せたプレーをそのまま表現すれば、J1でも存在感を示すことができるはずだ。
MF佐野海舟も満を持してのJ1挑戦となる。19年にFC町田ゼルビアへ加入すると、ランコ・ポポヴィッチ監督のもとで不動のレギュラーとしてプレーしてきた。高江麗央とのダブルボランチは町田の心臓にして肺であり、J2を代表するコンビと言っていいものだった。
完全移籍で加入する鹿島アントラーズは、ボランチの主軸だった三竿健斗がポルトガルへ新天地を求めた。21歳の佐野は三竿に代わるボランチとして期待される。
ボール奪取能力に優れ、素早い危機察知でリスクヘッジする守備は、J1でも十分に通用するだろう。そのうえで、攻撃への関わりを増やすことができれば、J1屈指の名門で定位置確保に近づく。