小泉佳穂ら躍動で成功した「もう1人」の新監督、新たに来日した外国人監督が苦戦する「2つの理由」と中断後【2005年J1リーグ序盤戦で分かった「新監督5人」の手腕と「チーム」の今後】(3)の画像
シャドーの小泉佳穂(写真)をパス回しの中心に据えたサッカーで成功を収めつつあるのは…。撮影/中地拓也

 2025年のJ1リーグは、昨シーズンとは違う魅力を提供している。その要素のひとつが、監督の存在だ。特に新監督には、チームをガラリと変え、上昇気流に乗せることが期待されている。サッカージャーナリスト後藤健生が、新監督たちの今シーズン序盤戦を振り返る!

■結果を出した「新監督3人」の共通点

 もう1人、大成功を収めた新監督が柏レイソルリカルド・ロドリゲス監督だ。

 右のウィングバックにドリブラーの久保藤次郎を置き、左にはこれまでインサイドハーフだった小屋松知哉をコンバート。シャドーの位置の小泉佳穂がパス回しの中心になる。センターバックの攻撃参加も含めて、流動的にパスを回すスタイルは早くも確立されてきた。

 第6節のサンフレッチェ広島戦では、得点にはならなかったものの、前半の26分にワンタッチ、ツータッチのパスを10本以上つないでビッグチャンスを作った。本当に、試合ごとに選手たちが自信を深め、コンビネーションに磨きがかかってきている。

 細谷真大、木下康介、垣田裕暉とストライカータイプ3人を回しながら使えるのも攻撃に変化をもたらすことができる。

 すでに結果を出している3人の新監督たち。彼らは、「新」監督とは言っても、Jリーグでの経験が豊富な監督たちだ。鬼木達監督はJ1リーグ優勝4度という記録を持つ名将だし、長谷部茂利監督はアビスパ福岡というクラブをJ1昇格に導き、その後、クラブをJ1に定着させた。そして、リカルド・ロドリゲス監督は、J2の徳島ヴォルティスでサイドバックの攻撃参加など変化に富んだシステムを使ってJ1昇格を果たし、浦和レッズでは成功できなかったものの、J1リーグもJ2リーグも知っている。

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