■上田がCFに定着できるか?
三笘薫については、あえて言及することはないだろう。カタールW杯のクロアチア戦後に語った「チームを勝たせる存在にならないといけない」という決意を、所属するブライトンではっきりと見せてきた。次は日本代表でも、ということである。
左サイドでは、中村敬斗が招集されている。オーストリアのLASKリンツで得点とアシストを量産している22歳も、実戦で可能性を確認しておかなけばならないひとりだ。
1トップの序列一番手は、上田綺世で間違いないだろう。ベルギー1部でランキング4位タイの13ゴールを叩き出している。
守備をセットしてきた相手の攻略は、カタールW杯の持ち越し課題だ。くしくも上田が先発したコスタリカ戦で、相手の守備を崩しきれずに苦杯をなめた。
日本のホームゲームということを踏まえれば、ウルグアイもコロンビアも効率的なサッカーを求めてくるに違いない。内容ではなく結果重視で、ボール保持にはこだわらない可能性がある。そうした展開で、南米の強国の守備をいかにこじ開けるか。その第一歩として、上田は最前線で起点になることができるのか。今回の2試合で最大の注目ポイントと言ってもいい。
浅野は途中出場のひとりとして、前田は前線からの守備のスイッチ役として、カタールW杯で結果につながる働きを見せた。森保監督が「遅攻からの崩し」を4年後への課題にあげるなかで、彼ら本来の攻撃面での特徴をどのように生かしていくのか。今回の2試合で、その足掛かりとなるものを見せてもらいたい。
カタールW杯で出場なしに終わった町野は、Jリーグでのプレーに余裕を感じさせるようになってきた。日々の練習から高いスタンダードで取り組んできた成果を、短い時間でも発揮することが求められる。
ところで、今回の26人にはGK中村航輔、MF旗手怜央、FW古橋亨梧らが招集されなかった。所属クラブで結果を残している彼らは、客観的にみて招集に値するプレーを見せている。
誰を選ぶのかは、森保監督が決めることだ。チーム戦術にどれぐらいフィットするのか。選手同士の組み合わせはどうなのか。そうした要素も、選考基準になるのだろう。
所属クラブでのパフォーマンスがそのまま招集に直結しないのかもしれないが、森保監督には招集した選手で結果を残す責任がある。新たな船出とはいえゼロからのスタートではないことを考えても、今回の2試合は結果が求められる。