【超大混戦J2】金沢から最下位・相模原まで「勝点6差に9チーム」!J2残留争いが「アツすぎる」!!【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
名波浩監督の松本は現在、降格ラインぎりぎりの17位

■”ボトム4からの逃走劇”はどうなる!?

 J2の順位表を、いますぐにでも見てほしい。

 中位から下位が大混戦となっていることに気づくはずだ。

 前節まで14位のツエーゲン金沢、15位のレノファ山口FC、16位の松本山雅FCが、いずれも敗戦を喫した。その一方で、17位の栃木SCが引分け、18位のザスパクサツ群馬と19位の愛媛FCが勝利を飾った。群馬は山口を3対0で退け、愛媛は松本戦で7試合ぶりの勝利をつかんだ。

 さらに最下位のギラヴァンツ北九州が、16節以来10試合ぶりの白星を飾っている。これにより、14位の山口から20位に順位をあげた北九州までの7チームが、勝点3差以内でひしめき合っている。

 もっと言えば、21位の大宮アルディージャと22位のSC相模原も、J2残留圏内の18位とは勝点4差、14位の山口とも勝点6差である。J3降格となるボトム4からの逃走劇は、先が読めない展開となっている。

 最下位から脱出した北九州は、FC町田ゼルビアを下して再開後初勝利となった。夏の移籍市場で復帰した椿直起が前半終了間際に負傷交代するアクシデントに見舞われ、後半開始直後の47分にドゥドゥに先制点を奪われる。それでも81分、J1の大分トリニータから期限付き移籍で呼び戻したSB福森健太のクロスを、富山貴光がヘディングで流し込む。さらに85分、針谷岳晃の左CKがゴール前の混戦を誘い、相手がクリアしようとボールが前川大河に当たってゴールへ吸い込まれる。北九州はわずか5分間で試合を引っ繰り返した。

 得点をあげた富山と前川、2点目につながる左CKを蹴った針谷は、いずれも途中出場の選手だ。小林伸二監督は「スタンバイ(控え)の選手がいい仕事をしてくれた」と話し、10試合ぶりの勝利については「本当にうれしい」と喜びをストレートに表わした。

 前節の愛媛戦に続いて、2ゴールを記録した。2試合連続の複数得点はシーズン初となる。椿の負傷交代は気になるが、北九州は状態を上げている。2試合連続のホームゲームとなる次節のファジアーノ岡山戦に勝利すれば、ボトム4から抜け出す可能性も出てきた。

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