■16位浮上の群馬は監督交代後負けなし

 群馬も調子がいい。22節から采配を振るう久藤清一監督のもとで、2勝2分の成績を残している。今節の山口戦で記録した1試合3得点は、今シーズン初めてだ。順位は18位から16位へアップした。9節以降は降格圏とその周辺が定位置だったから、久しぶりの浮上である。

 新型コロナウイスの陽性反応者が出たため、14日開催予定の栃木戦が延期となった。今週水曜日の25日に中2日で行なわれ、その3日後には金沢戦が控える。

 いずれの試合も、勝点差の近い相手との6ポイントマッチだ。

 J2残留争いから抜け出して、中位争いへ加わっていくか。それとも、下位チームの順位を気にしながらの戦いに戻ってしまうのか。今週開催の2試合は、群馬にとってシーズンのターニングポイントとなる。

 前節の16位から17位に順位を落とした松本では、夏の補強で獲得したセルジーニョ、左ひざの大ケガから復活した山口一真が途中出場した。ふたりは直前の天皇杯でもピッチに立っていたが、J2リーグは初出場となる。山口は昨年11月29日の愛媛戦で負傷しており、奇しくも同じ相手とのゲームがリーグ戦復帰初戦となった。

 背番号10を着けるブラジル人MFは65分から、昨シーズンのJ2で15ゴールを叩き出した25歳は79分から出場したが、75分の先制点をきっかけに愛媛が守備を固めてきたこともあり、相手ゴールをこじ開けることはできなかった。ふたりについて聞かれた名波浩監督は、「ゲーム感覚がまだまだ足りないと感じるので、出場時間を徐々に増やして、コンディションを調整しながら起用を考えたい」と説明している。

 14日の京都戦が大雨の影響で中止となったため、松本は消化試合数がひとつ少ない。それでも、降格圏に近い17位という順位は居心地が良くないだろう。

 21節の東京ヴェルディ戦からは、クリーンシートこそないものの5試合連続で最少失点にとどめている。守備力のさらなる向上と並行して求められるのは、攻撃力のアップだ。

 24節のブラウブリッツ秋田戦では4得点を叩き出したが、今節は17本のシュートを浴びせながらノーゴールに終わった。名波監督は「公式で17本と出ていましたが、枠内シュートが少な過ぎる。枠内へ打たないと何も起こらない」と見る。ところが、決定力を備えるブラジル人FWルカオが24節に負傷してしまった。セルジーニョと山口、さらには新加入のFW伊藤翔らには、得点やアシストが強く求められている。

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