■先発の9人が今シーズンの“新戦力”組

 さて、J1リーグ第18節の問題の湘南ベルマーレ戦で、浦和レッズは素晴らしい内容の試合をしていた。結果として敗れはしたものの今シーズンのベストゲームの一つだったのではないだろうか。
 特筆すべきは、この試合でリカルド・ロドリゲス監督が起用したのは、センターバックの岩波拓也槙野智章の2人を除いてすべて今シーズンからの“新戦力”の選手たちだったことだ。

 詳しく見てみよう。

 まず、GKには本来は出場資格のなかった鈴木彩艶。昨年のJ1リーグではベンチには入ったものの、今シーズンに入って出場機会を増やし、またU24代表にも招集された18歳。DFは右サイドバックが、今季ヴィッセル神戸から移籍してきたベテランの西大伍。そして、左サイドバックは国士舘大学卒の明本考浩。MFの選手だったが、このところリカルド・ロドリゲス監督は明本を左のサイドバックとして起用している。

 MFはセントラルMFとして伊藤敦樹金子大毅。伊藤は浦和の下部組織出身で、流通経済大学経由で戻ってきたMF。金子は市立船橋高校から神奈川大学、湘南ベルマーレを経て今季入団したMF。ともに、23歳だ。

 両サイドハーフには右が田中達也。かつて浦和に所属した同姓同名の田中と同じく、スピードドリブルを身上とするウィンガー。左は東京ヴェルディユース出身で浦和には特別指定で一昨年から在籍していた大久保智明。こちらもドリブラーだ。

 そして、トップ下(もしくはセカンドストライカー)が中盤から前線にかけてあらゆるポジションをこなせるユーティリティー性の高いテクニシャンの小泉佳穂。ロドリゲス監督も中盤の底などさまざまなポジションで起用していたが、ようやく「トップ下」という居場所が定まってきた。

 そして、トップにはこの夏に加入したばかりで得点を量産しているキャスパー・ユンカーだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5