■ボールが収まる素晴らしいツートップ
湘南戦で素晴らしかったのは、何といっても前線のユンカーと小泉の2人だ。
ユンカーはパスを受ける前の動きがとてもクレバーで大きいから、相手のDFを完全にはがしてからパスを受けることができる。そして、パスを収めるとすぐにターンしてゴールに向かい、もちろん自分で決めることもうまいのだが、同時に周囲を生かすことができる。余裕を持ってボールを受けられるので、落ち着いて状況判断ができるのだろう。
一方、小泉の方は前線で動き、また中盤に戻ってパスを引き出す。テクニックがあるから、相手と競りながらでもしっかりとボールを捌くことができる。
つまり、前線のユンカーとトップ下の小泉のところでボールが収まるから、浦和は早いタイミングで後方からのくさびのパスを入れることで攻撃の形を作ることができた。
湘南戦で言えば、たとえば35分。ハーフラインをあたりでユンカーがパスを受け、すぐに小泉とのワンツーで抜けだし、中央を上がってきた田中を走らせた場面があった(田中のシュートはブロックされ、CKとなった)。
53分の2点目は、ハーフライン付近でユンカーが受け、小泉に預けてゴール前まで進出したユンカーが小泉からの長いリターンを受け、DFとGKをかわしながらループシュートを決めたものだった。64分には大久保からのパスをうまい角度で受けたユンカーは、強烈なシュートを放ったが、これはゴールポストに嫌われた。
トップにボールを収めることができるターゲットがいると、チームにとって攻撃の組み立てが楽になる。そうした意味でユンカーと小泉の2人の存在によって、浦和の攻撃に大きな余裕が生まれたのだ。