■説明がつかない「不思議の負け」

 こうして、湘南戦の浦和はボールを持つ時間が長くなり、しかも前線にパスが入ることによって何度も決定機を作った。そして、エースのユンカーが2得点……。まさに、理想的な展開だった。

 ところが、2点目が取れないでいると27分に自陣での決定的なミスでゴール前でボールを奪われて浦和出身の山田直輝に決められ、後半もユンカーの2点目で再び先行するも、70分に同点とされ、さらに終了間際に梅崎司のクロスからこぼれたボールを岡本拓也に逆転の3点目をたたき込まれてしまった。

 浦和出身で現在湘南に所属している選手たちの大活躍によって、浦和はまさかの敗戦を喫してしまった。守備に多少の甘さ(そして、決定的なミス)はあったものの、なぜ浦和が敗れたのか。論理的には説明がつかない。僕には「不思議の負け」としか見えなかった。

 いずれにせよ、ツートップにボールが収まり、ドリブラー2人を生かしたサイド攻撃と両サイドバックの攻撃参加も効果的で、少なくとも攻撃面ではリカルド・ロドリゲス監督が目指すものが実現できた試合のように思えた。

※第2回につづく
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