■躍動した荒木の最適ポジション

 特に荒木は後半に鹿島の攻撃をけん引してみせた。スタート時は1トップの上田の下に小泉慶がトップ下として君臨し、その左右に荒木と土居聖真が構える形だった。しかし、後半からは荒木が前に出て上田と絡みながら2トップ気味の形で前進しようとした。セカンドトップは土居とコンビを組んでよく入るポジションなだけに、ボールの受けや出しで見事に輝いてみせた。

 荒木が背負う番号は「13」。柳沢敦や興梠慎三がかつて付けた番号で、鹿島では伝統の数字だ。荒木はわずか19歳で「13」を背負うが、それにふさわしいプレーを披露してみせた。

 また、常本も等々力のピッチで評価を上げた一人だ。昨年、特別指定選手として1試合だけJ1の出場経験がある22歳の右サイドバックは、今季、4月3日の浦和レッズ戦で先発すると、川崎戦で9試合目の出場となった。

 鹿島のこのポジションには、広瀬陸斗や小泉慶がいるが、彼らを抑えて試合に出続けている。出場機会を与えられた一方で、横浜Fマリノス戦では前田大然という強敵を相手に退場処分となってしまうなど経験不足が否めなかったものの、この試合では見事に三笘薫を封じてみせた。

 三笘は60分過ぎに途中交代。先発した今季の試合では最も短い出場時間で、ピッチ外に追い出して見せた。ただし、試合終了間際の失点がそのサイドからのクロスだったことは、今後の成長と糧としなければならない。

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