■小林が鬼木監督から言われていたこと

 試合後、鬼木監督は「竜也にもあのクロスを狙ってほしいという話をした中で、そういうプレーをしてくれた。悠もしっかりそれを狙って得点してくれた」と明かしたが、小林自身も「オニさん(鬼木監督)が僕をピッチに送り出すときに、“竜也にクロスを上げさせるから、知念(慶)の後ろに入っていけ”と言われていた。オニさんの狙いどおりだったと思う」と振り返った。長谷川投入後からチーム全体としてクロスが多くなっていたが、これはチームとして狙った形だったのだ。三笘を下げた理由は、クロス攻撃に切り替えるための“合図”だったのである。

 小林の得点シーン以外にも、川崎のクロスはチャンスにつながった。鹿島の守備をスカウティングしたうえで、得点の可能性を探っていたのだ。

 残り時間は2分。あまりに劇的なゴールに、等々力競技場は興奮に包まれた。試合はそのまま終了。鬼木監督のJ1史上最速100勝と開幕20戦無敗という2つの記録を同時に達成したのだ。

 次節はアウェイ横浜FC戦。これで川崎は一時、戦いの舞台をアジアに移す。

 日本に戻ってきても、しばらくはアウェイ戦が続くため、等々力でのリーグ戦は9月11日まで間隔が空くことになる。等々力に帰ってくるまで、王者に黒星は必要ない。さらなる高みへと達して、この競技場でサポーターに勝利を届けて見せる。

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