■4月29日/J1第22節 名古屋グランパス―川崎フロンターレ(豊田スタ)
最強の矛と最強の盾がぶつかると、どんな結果をもたらすのか。Jリーグファンの注目を浴びた2連戦の最初の試合は、矛が盾を粉砕する結果となった。リーグ戦12試合で30ゴールを奪っていた川崎フロンターレが、リーグ戦12試合で3失点の名古屋グランパスに4-0で勝利したのだ。
GWに急遽設けられた、ホーム&アウェイでの連続首位決戦。勝ち点差はわずか3と肉薄した状況でのゲームだけに、お互いに難しさはあった。その中で鬼木達監督は、先発メンバーのオーダーの時点で勝負采配を見せた。戦線離脱していた旗手怜央とジョアン・シミッチを、復帰と同時にスターティングラインナップに戻したのだ。
シミッチは、もともとのポジションであるアンカーで起用。ウイング、インサイドハーフ、左サイドバックをこなせるマルチロールの旗手は、インサイドハーフで起用。それに伴って、日本代表の脇坂泰斗をベンチスタートとしたのだ。首位決戦で見せた、勝負の采配。それが、この試合の行方を決定付けた。
そもそも、矛と盾がぶつかるこの試合は、川崎の攻めを名古屋が耐える展開が予想された。川崎が敵地で点を取るまでに時間がかかれば、その前掛かりになったところを、名古屋のカウンターの餌食になる危険性をはらんでいた。名古屋としてはホームだからこそ、しっかり守って焦れた川崎を仕留めたかった。そのゲームプランを崩したのが、旗手だった。