川崎の試合を見ていると「なぜ、この選手がそこでフリーになっているのだろう?」と不思議に思えることがあるが、それは相手より早くスペースを見つけて正確で速いパスが出せるからだ。

 川崎の選手層の厚さも過密日程で行われる今シーズンのJリーグでは大きな武器だ。再開前に負傷した小林悠は復帰するやすぐに得点を重ねているし、大学サッカー界最高のアタッカーだった旗手怜央三苫薫がそろって加入し、また複数ポジションをこなせる選手も多いので代表クラスの選手をローテーションしながら戦うことができている。

 また、人が走るよりもボールを動かすという川崎のスタイルは過密日程の中で有利に働くはずだ。相手チームは川崎にスピードのあるパスを回されて、足が止まったところで川崎は豊富な駒を使ってさらに攻撃力を上げて仕留めることができる。

 さらに言えば、横浜FMやFC東京、神戸と違って、昨シーズン4位で終わった川崎は今シーズンはACLに出場していない。ACLは10月後半以降にセントラル方式で準決勝までが行われることに決まったので、ACL出場チームの日程はさらに過酷になってしまうのだ。その点でも、川崎は有利な立場にいると言っていい。

 逆に言えば、どのチームが、どのような方法で川崎を止めるかが大きな見どころになるのかもしれない。

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