■日本の「一番の弱点」を埋める若手CF
――懸念だった1トップはどうでしょうか。
後藤「上田綺世は間違いなく成長したし、小川航基も2023年に比べたらだいぶよくなってきた。まだ、このチームの弱点だとは思うけど、去年に比べたら遥かに良いよね」
大住「総合的な力を考えれば、上田が上かなと思うんだけど、点を取るという小川の感覚というのは、かなりの魅力だよね」
後藤「もともと高校時代からシュートがうまい選手だったわけだからね」
大住「ワールドカップ最終予選の4試合で交代出場して、先発は2試合だけだったけど、その計6試合のうち3試合で点を取った。交代した2試合で点を取って、先発した2試合のうち中国戦で2得点だからね。結果として、今の最終予選ではチームで一番点を取っているわけだし、すごく良い争いになっていると思うよ。年の初めの頃に期待されていた細谷真大がちょっと伸び悩み気味だけど、そんなに焦らなくてもいいなという感じになってきたよね」
後藤「ただし、世界の強豪チームと比べると、1トップが日本の一番の弱点であるのは確かだよね。2列目なんて、世界のどのチームと比べても日本のほうが上じゃないかと思うくらい選手がそろっているのに。1トップはロベルト・レバンドフスキやアーリング・ハーランドと比べると、ちょっとなあという話になる」
大住「そこと比べるの!?」
後藤「だって、2列目はどの国と比べたって遜色ないでしょ。伊東純也に久保建英、南野拓実、三笘薫、中村敬斗、堂安律…」
大住「遜色ないかは分からないけど、確かにどこと対戦してもかなりできそうな選手がそろっているよね」
――森保一監督が掲げた優勝を狙うなら、世界的名手と比較することになりますよね。
後藤「1トップは世界中ほとんどの監督が悩んでいるポジションだから。でも、いつの日かかつての釜本邦茂のようなFWが出てくるかもしれないよ」
大住「本当に、そういうことがあるかもしれないんだよね」
後藤「待つしかないけど、最近の若い世代にはフィジカルが強いCFが結構いるから、誰かひとりでも育ってくれればいいね。鹿島アントラーズユースの徳田誉(ほまれ)とかさ。同じ鹿島ユースの吉田湊海(みなと)もすごいじゃない。まだ高校1年生なのに、U-18プレミアリーグで点を取っているよ。いかにもCFらしい選手はあちこちに何人もいるから、ひとりでもいいから化けてほしいな」