「チームの中心になった」2024年の日本代表MVP、「いないと困る」選手に成長した谷口彰悟、「最大の弱点」を埋める若手CF【日本サッカー「2024総決算」と「2025大展望」の激論】(2)の画像
2024年7月19日、ベルギー1部シント=トロイデンVVに移籍した谷口彰悟。33歳での欧州リーグ挑戦となった。撮影/渡辺航滋(sony α‐1)

 日本代表の「まさか」のアジア杯ベスト8敗退で幕を開けた2024年の日本サッカー界。3月には宮本恒靖氏が日本サッカー協会(JFA)会長に就任し、開幕したJリーグでは初昇格のFC町田ゼルビアが大躍進すると、パリ五輪では男女ともにベスト8入り。9月にスタートしたW杯アジア最終予選では負けなしの快進撃で、FIFAランクで森保ジャパン史上、最高位となる15位を記録。最後の最後までもつれたJリーグの優勝争いは、ヴィッセル神戸の2連覇で幕を閉じた。そこで『サッカー批評』では、サッカージャーナリストの大住良之氏と後藤健生氏に、2024年のサッカー界を振り返ってもらうとともに、2025年の行方を占ってもらった。サッカー歴50年以上の大ベテラン2人が「愛するサッカー」について、朝まで大激論!

■2023年MVPは「遠藤航」、2024年は…

――2024年の日本代表では、久保建英鈴木彩艶の成長が顕著だったということですが、他の選手はどうでしたか。

大住「1年間を通して見て、若くはないけれど、守田英正の日本代表の中での地位がガンガン上がってきて、今や本当に中心になってきているという感じがする。ああいう成長というか、どんどん伸びて、存在感を増している選手が何人いるかで、チームの力は決まってくると思う。だから、守田は本当に、2024年の日本代表のMVPに選んでもおかしくないような存在だったね」

後藤「そうだね。2023年のMVPを選ぶなら遠藤航だったよね。リバプールに移籍して、ものすごくうまくなったし。だから成長というのは、何歳までと決まっているわけじゃない。2023年の遠藤は30歳だった。若いから伸びるとかじゃなくて、何歳になっても伸びる時には伸びる。だから皆、成長しているわけだよね」

大住「2024年に伸びたというか、代表の中で地位を上げた選手といえば、谷口彰悟だよね。今まではサブのDFだったのに、本当に中心的存在になった。谷口がいなかった2試合では、日本の守備は不安定だったもんね」

後藤「いないと困る選手になっちゃったもんね」

大住「33歳になってからの移籍先がシント=トロイデンVVでいいのかなあと思ったけど、カタールでも、どんな状況でも本当に一生懸命にやっていたんだろうね。彼のそういう姿勢が、日本代表での存在感に表れているんだと思う」

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