■鎌田のボランチ起用のメリットとは?
2026年のW杯へ向けて、日本代表には戦力の底上げが必要になっていく。今回のウルグアイ戦とコロンビア戦では、中長期的な戦略として新戦力のテストがどこまで進んだのだろうか。
右サイドバックの菅原由勢、左サイドバックのバングーナガンデ佳史扶、冨安健洋不在のCBで瀬古歩夢が起用された一方で、DF半田陸、DF町田浩樹、DF藤井陽也は出場機会がなかった。オーストリアで数字を残しているFW中村敬斗は、ウルグアイ戦に数分間出場しただけだった。DF橋岡大樹の起用法も、中村と同様だった。
GKは2試合を通してシュミット・ダニエルだった。GK大迫敬介とGK谷晃生は、出場機会が巡ってこなかった。
サイドバックに内側のレーンを使わせるなら、半田は試しても良かっただろう。昨年まで所属したJ2のモンテディオ山形で、ハーフスペースの巧みな使い手として攻撃に変化を加えていたからだ。
森保監督はシュミット・ダニエル、CB板倉滉、ボランチ守田英正、左サイドハーフ三笘薫を2試合連続で先発させた。伊藤洋輝も2試合連続スタメンで、ウルグアイ戦は左SB、コロンビア戦は左CBでスタートした。
鎌田大地も2試合連続スタメンである。ウルグアイ戦はトップ下を、コロンビア戦ではボランチを任された。
今回の招集メンバーで4-2-3-1を採用すると、ボランチは遠藤航、守田、田中碧の3人になる。ここに鎌田を加えることで、ダブルボランチの選手起用に余裕が生まれ、かつ2列目の選手起用が多彩になる。スポットライトの当たっていないトピックだが、今後につながるトライだったと言える。