■ACL出場の甲府は「全員の力が必要」
「22分の3」を巡るバトルが、いよいよ幕を開ける。2023年のJ2リーグが、2月18日に開幕するのだ。
24年シーズンからJ1、J2、J3のクラブ数が「20」ずつになることに伴い、今シーズンは上位2チームがJ1に自動昇格し、3位から6位が昇格プレーオフを争う。プレーオフにJ1の下位チームが加わらないため、J2から3チームがJ1へ昇格できるのだ。
J2からJ3への降格は、これまでと変わらない。下位2チームの自動降格である。
J2リーグ開幕を前に、公式戦に臨んだチームがある。ヴァンフォーレ甲府だ。昨年度の天皇杯覇者として、2月11日開催のスーパーカップで横浜F・マリノスと激突した。
長く3バックで戦ってきた甲府だが、就任1年目の篠田善之監督は4バックを採用している。4-2―3-1の右サイドバックで出場した主将の須貝英大は、「キャンプを経てチームとしてやるべきことは整理できています。去年も攻撃時は4枚の形になることがあったので、選手たちにそこまで戸惑いはなく、今日の試合にも臨むことができました」と話す。
スーパーカップでは4人の新加入選手が先発した。三浦颯太(←日体大)が左サイドバック、佐藤和弘(←松本山雅FC)がボランチ、水野颯太(←桐蔭横浜大)が2列目左サイド、ピーター・ウタカが1トップで起用されたのだ。2019年以来4シーズンぶり復帰のウタカには、得点源としての活躍が期待される。
ブレイクの予感を漂わせるのは三浦だ。特別指定選手だった昨年にJ2デビューを飾っている22歳のレフティーは、J1王者を相手に自らの特徴を発揮した。「1対1でボール奪うところや前への推進力は、今日やってみて通用したかなと思うので、そこは継続してJ2でもやりたい」と、本人も手ごたえをつかんでいる。
スーパーカップは1対2の敗戦に終わったものの、印象は悪くない。篠田監督は「攻撃のところでボールをもう少し握ったりとか、相手の背後を突くような動きができればと感じてた。90分通しての結果なのでしっかり受け止めて、J2リーグ戦にチャレンジしたい」と前向きに受け止めている。
今シーズンの甲府は、天皇杯覇者としてACLに出場する。同大会のグループステージは9月から12月にかけて開催される予定で、シーズン終盤の重要な時期にスケジュールが過密になる。須貝は「今年は全員の力がホントに必要だと思うので、そこを意識しながら自分が先頭になってやっていきたい」と、厳しい戦いを見据える。