■「決め切る」がリスタート2発で栃木撃破
いよいよ「三つ巴」の様相を呈してきた。
J2リーグ15節終了時の段階で、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、横浜FCの上位3チームと、4位のファジアーノ岡山との勝点差は「5」だった。それが、5月28、29日の19節を終えて、首位の仙台と4位のFC町田ゼルビアとの勝点差が「10」に開いている。2位の新潟、3位の横浜と町田との勝点差も「9」だ。上位3チームが抜け出しつつあると言えるだろう。
5月最後の試合となった19節で、首位の仙台は19位の栃木SCと対戦した。
原崎政人監督率いる首位チームは、序盤から主導権を握られた。徳島ヴォルティス、町田を1対0で下してきた栃木に、前半だけで9本のシュートを浴びた。対して仙台は、2本にとどまった。
もっとも、公式記録上のシュートと試合結果に、必ずしも関連性はない。
15節のV・ファーレン長崎戦は、前半終了時も試合終了時も相手よりシュート数が少なかったものの、2対0で勝利を飾っている。翌16節のツエーゲン金沢戦も、前半は5対5、後半終了時は12対11とほぼ同数だったが、4対1で勝点3をゲットした。4対2で勝利した17節の大宮アルディージャ戦も、シュート数は9対10だった。このところの仙台の戦いぶりについて、決めるべきところで決めている、好機を生かしている、と言うことはできそうだ。
栃木戦ではリスタートを生かした。56分、CKの流れから若狭大志がシーズン初得点をプッシュし、仙台は先制に成功する。
85分に矢野貴章にヘディングシュートを決められるが、直後の88分に再びリードを奪う。遠藤康の左CKが混戦を誘い、皆川佑介が至近距離からネットを揺らす。5試合ぶりのスタメンとなった背番号19が、価値ある決勝弾をマークしたのだ。最終的なシュート数は12対19だったが、仙台はホームでしっかりと勝点3を積み上げ、首位をキープしている。