【J2ラスト3試合!!】「壮絶残留争い」19位浮上「北九州のエース」が決めたゴラッソ&元日本代表FWの引退…「新旧レフティーの輝き」!【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
高橋大悟(北九州)   写真:松尾/アフロスポーツ
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■北九州が10試合ぶりの勝利で残留圏に迫る!

 J2残留争いはさらに過熱している。

 前節まで14位のレノファ山口FCと15位の栃木SCが敗れ、16位のザスパクサツ群馬と17位の大宮アルディージャが引分けた。さらに18位のツエーゲン金沢東京ヴェルディに大敗するなかで、21位のギラヴァンツ北九州が10試合ぶりの勝利をつかんだのだ。

 山口との関門海峡ダービーは、とくに後半が守備に追われる展開となる。自陣での攻防が続くが、76分にワンチャンスを生かした。高橋大悟が中央の椿直起にボールをあずけ、左サイドへ回り込む。ペナルティエリア内左でパスを受けると、ゴール左上を破った。

 最終盤はシステムを4バックから5バックに変更し、守備をしっかりと固めた。そして、試合終了のホイッスルが鳴り響く。

 決勝点をあげた高橋は、その場に倒れ込んでピッチを右拳で打ちつけた。チームメイトに抱き起させると、目元が潤んでいる。キャプテンマークを巻く21歳は、「なかなか勝ちを見せてあげられないなかで、こんなにたくさんの人が応援に来てくれたので、言葉にするのは難しいですけれど、良かったなと思いました」と、心からの安堵を言葉にした。自身シーズン10得点目については「技術どうこうよりも、みんなの力だったり思いが乗ったんじゃないかと思います」と、自分ひとりのものではないことを強調した。

 北九州は勝点を「35」とし、19位に浮上した。順位こそJ3降格圏だが、18位の金沢に2差、17位の大宮に3差、16位の群馬、15位の栃木に4差に迫っている。高橋は「まだまだ厳しい戦いが続くので、ホントにみんなに恩返しができるように頑張りたいです」と、表情を引き締めた。

 J3降格圏のその他の3チームは、いずれも黒星を喫した。再開の松本山雅FCは2対3でヴァンフォーレ甲府に競り負けた。18位の金沢とは勝点5差で、次節の結果次第ではJ3降格が決まる可能性がある。

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