名古屋グランパスが、ルヴァンカップ初優勝を果たした。セレッソ大阪との決勝をものにして、これで国内3大タイトルをすべて手に入れたことになる。
名古屋は本当に日本トップとなれるのだろうか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■川崎と横浜FMを止められるか?
JリーグYBCルヴァンカップ決勝で、名古屋グランパスがセレッソ大阪を2対0で下して優勝。2010年のJ1リーグ優勝から、なんと11年ぶりのタイトル獲得だという。
マッシモ・フィッカデンティ監督の下で堅い守りを構築した名古屋は、昨シーズンはJ1リーグで3位に入ってACL出場権を獲得。今年は、シーズン終盤まで複数のタイトル獲得の可能性を残したまま戦ってきた。
J1リーグの前半戦では川崎フロンターレを猛追。両者の直接対決は「最強の矛対最強の盾」の試合として注目を集めたが、ちょうど川崎フロンターレの絶頂期でもあったため、リーグ戦では異例の連戦を戦って完敗したものの、第33節終了時点で4位に付けており、3位のヴィッセル神戸を勝点3の差で追っている。そのほか、ACLでは日本勢として最高の準々決勝進出を果たし、天皇杯全日本選手権大会でも準々決勝まで戦った。
フィッカデンティ監督の下で堅い守備を整備してきた名古屋グランパスがJリーグの強豪の一角であることは間違いない。
そのJ1リーグでは33試合終了時点で首位の川崎が2位の横浜F・マリノスに勝点12の大差をつけて優勝決定も秒読み段階に入っており、2位の横浜FMも3位のヴィッセル神戸まで勝点11、4位の名古屋までは勝点14という大差をつけている。
つまり、現在のJ1リーグは川崎と横浜FMの“2強”体制が続いているのである(この5年間、J1リーグ戦のタイトルはこの2チームが独占している)。
名古屋は、その“2強”を追う追走集団(神戸と名古屋に、浦和レッズ、鹿島アントラーズを加えた4チーム)の一角という位置づけになる。
では、ルヴァンカップというタイトル獲得に成功した名古屋は、来シーズン、神奈川県に本拠地を置く“2強”に追いつき、追い越すことができるのだろうか?