■クラブ最高位を狙える位置でも琉球は監督を交代

 今シーズンのJ2では、実に10チームが監督交代に踏み切っている。下位4チームがJ3に降格することで、残留争いに巻き込まれているチームが早めに手当てをしているのだが、J1昇格争いから脱落したために監督を解任したチームもある。

 FC琉球だ。34節終了直後に、樋口靖洋を解任したのだ。

 今シーズンの琉球は、前半戦を3位で折り返した。ところが、主力クラスにケガ人が続出し、28節から7試合連続で勝利から見放されてしまった。

 J1昇格争いからは脱落してしまったものの、樋口監督解任時点の順位は8位である。19年のJ2昇格後は14位、16位でフィニッシュしているから、過去最高の順位で終える可能性を十分に残している。そのなかでの、監督交代だった。

 喜名哲裕コーチを監督に昇格させたことについて、クラブは「今シーズンのさらなる上位進出を目ざすと同時に、来シーズンに向けての準備としてチームの立て直しを図るため」としている。J2残留ではなくJ1昇格を現実的なターゲットにしているからこそ、このタイミングで、この順位で、琉球は体制を刷新したのだ。視座が高いからこその決断だったのである。

 J2残留争いに目を移すと、6試合ぶりの勝利をつかんだSC相模原が、最下位から19位へ浮上した。J2に残留できる18位のツエーゲン金沢とは勝点1差、17位の山口とも勝点2差に迫ってきた。

 その相模原に1対2で競り負けたギラヴァンツ北九州は、7試合勝利なしで20位から21位に順位を下げた。最下位は北九州と同じ勝点31の名波浩監督率いる松本山雅FCで、こちらは5試合勝なしの4連敗と苦しんでいる。松本は得失点差もリーグワーストのマイナスで、出口の見えないトンネルのなかでさまよっている。

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