U-24日本代表の東京オリンピックは8月6日で終わった。3位決定戦のメキシコ戦に1-3と敗れたものの、全6試合を経験したことは、日本サッカーにとってはかり知れない価値がある。久保建英と堂安律を攻撃面の中心に据え、吉田麻也、冨安健洋の両CBに加えて板倉滉、そしてボランチの遠藤航、田中碧といった才能が結集し、史上最強とも言われた五輪代表の戦いを、取材歴50年のサッカージャーナリスト・大住良之と後藤健生はどう見たか――。
大住「今回のメキシコ戦のメンバーで言えば、ディフェンスラインの4人、ボランチの2人、それから前のほうの4人のうちで少なくとも1人、合計7人は日本代表のレギュラーだと思う。ということは、今回のオリンピックチームでワールドカップ予選をやるようなもの。あとのメンバーに、さらなるオーバーエイジ組である南野拓実や大迫敬介が加わったりね」
大住「あとは、鎌田大地とか、そこらへんも入る」
―伊東純也もいますよ?
大住「伊東は交代要員かな。ベルギーでの今シーズンは調子が良くないみたいだし」
大住「かもしれない。ただ三笘は新しいクラブに移るから、これからが大変」
後藤「そうなんだよね、これからの問題はそこ。オリンピックで疲れ切って、そしてヨーロッパへ渡った選手たちがどこまでポジションを取れるか」
大住「少なくとも9月の試合は難しい気がする」
後藤「そう。そして、そんなことをしているうちにチームが固まっちゃったら、試合に出られるかすらも怪しくなってくるし。久保だって、これからどこへ行くかも決まっていないでしょ?」
大住「そうだね。だれも正式決定していないよね。そのへんが難しい」
後藤「オリンピックの代償というわけではないけど、日本だけでなく、スペインだって、ユーロとオリンピックの両方を戦った選手は新シーズンへの入り方が大変だよ。メキシコは国内組が多いから影響は少ないかもしれないけど」