■「“飛び込む感覚”が分かってきた」という関根

 関根にとっては、これが今シーズン初ゴール。4月3日に行われた第7節の鹿島戦の後半でも関根はゴールネットを揺らしたが、この際にはVARが介入。その直前のプレーでFW武藤祐樹のハンドがあったとして、得点は取り消された。

 試合後の会見で、今シーズン初ゴールの感想を問われた関根は、「(鹿島戦では)VARが介入して、(ゴールが決まったと)喜んでしまったことも恥ずかしかったですし、今回のゴールは取り消されないだろうと素直に喜べました」とはにかみ、報道陣の笑いを誘った。

 その鹿島戦での“幻のゴール”の際にも、関根はダイビングヘッドでゴールに叩き込んでいたが、その瞬間、サポーターたちは一斉に関根の闘志あるプレーに湧きたった。かつての関根といえば、持ち味であるドリブルから仕掛けてフィニッシュまで持ち込むというスタイルが多かった。去年のシーズンまでにはなかなか見られなかった関根のヘディングシュートは、チームの新しい武器になりえる。「あの形は、昨日の練習から狙っていた」と、関根。「(相手に)マークが付かれた選手が入らないということで、うまく嵌って良かった」と、ゴールシーンでの狙いを明かした。

 開幕は出遅れたものの、ここ数試合ではスタメンで起用されている関根。「チームの流れ、ボールの動かし方を先読みするようにしている。どこにいればよりゴールに近づけるかなど、スタメンで出られるようになってから、鹿島戦の時のような“飛び込む感覚”というのがつかめてきている」と、プレーでの手ごたえを話した。

 ゴール後には、チームメイトと喜びを分かち合ったあと、関根はリカルド監督のもとへと走り、指揮官からは両手を広げて迎えられた。そのシーンについて、「(リカルド)監督が徳島との古巣対決ということもあって勝ちたかった。勝利を届けたいという思いで、監督と一緒に喜ぶことができた」と、リカルド監督への思いを語った。

 チームとしても個人としても流れに乗っていることについては、「チームが勝てば自信も増すし、一人ひとりの選手の能力もそれによって変わってくるので、良い流れになっていると思います。ただ、個人的には1ゴールしか取れていないので、物足りなさを感じている。ここから2桁得点を狙いたい」と、今後の具体的な目標を示した。

 リカルド監督の古巣対決に花を添えたことで自信をつけた関根が、リベンジの豪快なダイビングヘッドを見せてくれることを願ってやまない。

 

■試合結果

浦和レッズ 1ー0 徳島ヴォルティス

■得点

60分 関根貴大(浦和レッズ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4