■実力派アナウンサー2人の協演
どうだろう? こうやってたたみかけていったら、試合の様子がありありと浮かんでこないだろうか。このアイデアを、あるとき、煙山さんに話した。だが彼の答えは、私を大きく落胆させた。
「もうやってますよ」
しかし心優しい彼は、フォローを忘れなかった。「来月またやりますから、放送席に来ませんか」。2002年10月、私は国立競技場のラジオ中継席におじゃました。FC東京対ヴィッセル神戸の一戦を、FC東京を煙山さん、そして神戸をフジテレビの青島達也アナウンサーが担当した「バトル中継」はすばらしかった。青島さんにとっては「ラジオ・デビュー」だったらしい。彼はその15年前にニッポン放送の試験に3回も落ちたと言っていたが、さすがに「テレビ中継の第一人者」と言われ、解説者なしでもまったく問題なく一人で中継ができる実力を見せた。
ただ、この2人のような「実力派」を2人そろえることの難しさもあり、「バトル実況」はそう多くの回数はできなかったらしい。そしてとても残念だが、ニッポン放送のJリーグ中継も、昨年来行われていない。