■完売した復興メモリアルマッチのチケット
なお、この川崎戦は復興メモリアルマッチであると同時に、手倉森体制の8季ぶりのホーム開幕戦でもある。この日、スタジアムに訪れたサポーターが期待したのは、ホーム開幕戦という“お祭り”であると同時に“希望の光”を感じることだ。だから、チケットは完売した。
コロナ禍で閉塞した気持ちを発散したい人もいただろう。待ちわびたJリーグシーズンの到来を感じたい人もいただろう。もちろん、10年前の震災を胸に秘めた人もいただろう。スタジアムには、それぞれの想いを持った9005人が集まった。
試合開始に先立って、「東日本大震災10年プロジェクト 川崎フロンターレとの絆」の特別動画がオーロラビジョンに流された。中村憲剛氏や太田吉彰氏が10年前を振り返るトークを展開した。10年前の試合とは打って変わった青空の下で、試合開始のホイッスルが吹かれるのを誰もが待っていた。