
国内7冠の名将・鬼木達監督を今季から招聘し、開幕・湘南ベルマーレ戦の躓きはあったものの、3月末までは白星街道を歩んでいた鹿島アントラーズ。ヴィッセル神戸に勝利した第7節時点ではもちろんトップに立っていた。
ところが、4月に入ると予期せぬ苦境に陥る。サンフレッチェ広島、京都サンガ、セレッソ大阪に3連敗。濃野公人、小池龍太というキーパーソンがケガで戦列を離れ、4月20日のファジアーノ岡山戦前には最大の得点源であるレオ・セアラとボランチの要・樋口雄太も離脱。チームは今季最大の危機に瀕したのだ。
「そこでミーティングが行われ、鬼木監督が『最終的にシーズンを見返した時に岡山戦がターニングポイントだったという試合にしよう』と言ったんです」とチャヴリッチが語気を強めたが、その岡山戦ではFWに師岡柊生、右MFにチャヴリッチ、左MFに荒木遼太郎、右SBに津久井佳祐を入れる形で挑んだところ、チャヴリッチと途中出場のターレス・ブレーネルのゴールが飛び出し、何とか勝ち切ることに成功した。
ここで息を吹き返した鹿島は、続く25日の名古屋グランパス戦も勝利。師岡がアキレス腱断裂の重傷を負う中、最前線には田川享介が入って鈴木優磨と2トップを形成。新たなユニットで2連勝し、重要な4月29日の横浜FC戦を迎えることになったのだ。