■鬼木監督「急にうまくなったり、強くなったりしているわけではない」
後半32分には三竿健斗から松村優太、ターレス・ブレーネルを経由し、三竿がシュート。このこぼれ球をDF山崎浩介がゴールに入れてしまう形で3点目が入り、完全に勝負が決まった。3-0で勝ち切った鹿島は首位に再浮上し、鬼木監督が言うように、岡山戦をターニングポイントにできたと言っていい状況だろう。
「3連敗の後、3連勝しているのは、意識のところかなと思います。急にうまくなったり、強くなったりしているわけではないと思いますが、どうやって勝っていくのか、相手が何を嫌がっているのか、最終目標が何なのかをみんなが意識して戦えている。本当に一戦必勝で、非常にタフに戦っているので、頼もしく感じています」と指揮官も神妙な面持ちでコメントしたが、鈴木優磨や今季リーグ初先発した三竿ら経験ある選手たちが試合の流れを見ながら的確な判断を下せていることが非常に大きい。特に鈴木優磨のクレバーさは目を引くものがある。
さらに言うと、FW陣の離脱者が続出する中、チャヴリッチが新得点源になりつつあるのも前向きな要素。昨夏から長くケガに苦しんだ彼が本来のパフォーマンスを取り戻し、ゴールに直結する仕事をしてくれているのは本当に有難いこと。攻撃陣の選手層は確実に広がっていると見てよさそうだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)