■インサイドハーフの4人目は旗手か
今年11月のカタールワールドカップを戦う23人――。アンカー・インサイドハーフは遠藤航、守田英正、田中碧の3人が「鉄板」となった。試合のなかで臨機応変にポジションを変えていく彼らは、セットとしての機能性が抜群に高い。4-2-3-1のダブルボランチでも、十分なクオリティが担保されている。
3人に続くのは柴崎岳、原口元気、旗手怜央らで、ベトナム戦では柴崎がアンカーを、原口と旗手がインサイドハーフを務めた。だが、即席のコンビネーションということもあり、ぎこちなさが先立った。準備期間の短さを踏まえるとしかたのないことだが、他でもない彼ら自身が消化不良を感じたに違いない。旗手は前半だけでベンチに退いた。
4-2-3-1にシステムを変更した後半は、柴崎と原口がダブルボランチを組んだ。彼らのパフォーマンスが悪かったわけではないが、代わって出場した守田と田中のコンビはチームに勢いをもたらした。
柴崎と原口は、前回W杯の経験者だ。キャプテンの吉田麻也、川島永嗣、長友佑都らと同様に、精神的にもチームを支えてきた存在である。
ただ、4-3-3が主戦術となる現状では、旗手のほうがシステムに合致する。左SBやウイングとしても計算できるユーティリティ性も、この24歳のメンバー入りを後押しする理由になる。インサイドハーフは、ひとまず旗手を加えた4人とする。
ウイングの伊東純也、南野拓実、三笘薫も、戦力として計算される。4-3-3で右ウイングの2番手になる久保建英は、4-2-3-1ではトップ下の最有力候補だ。昨年9月の中国戦で好パフォーマンスを見せ、ベトナム戦でもトップ下に入った後半は上田綺世らとの連携で決定機なシュートを放った。右ウイングなら堂安律、トップ下なら鎌田大地も候補にあがってくるが、2つのポジションの起用が見込める久保がリードする。これでウイングも4人とする。