■監督は優勝した川崎から

 優勝した川崎の鬼木達監督を選んだ。

鬼木達監督 撮影/原壮史

 昨シーズン終了後には中村憲剛が引退し、守田英正が移籍。今シーズン途中には田中と三笘も移籍でチームを離れた。しかしそれでも崩れず、マリノスに猛追されても崩れず、と堅い川崎でいられたのは、素晴らしいマネジメントがあってこそ。

 たとえば、ダミアンのフル出場は11月20日のセレッソ戦が初だ。優勝が決まり、得点王がかかっている今でこそフル出場をしているが、優勝決定までは一度も無い。ダミアンだけでなく、大きくメンバーが変わった中盤の軸となった脇坂泰斗を見ても、フル出場は2回だけ。5人の交代枠を有効活用してフレッシュな状態を保ち続けたことで、高いパフォーマンスが継続された。

 後半戦にはルーキーの橘田健人がレギュラーに定着し、ACLでベストイレブンに選ばれるほどの活躍を見せた。選手が変わりながらも強さが増している川崎の牙城は、まだまだ崩れそうにない。

 他には、新しい浦和を着々と作り上げ、試合中の修正力でも際立っていたリカルド・ロドリゲス監督や、0-0で前半が終われば勝ち確定とさえ思わせるほど堅いチームを築いた名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督、巨大戦力を素直に扱いながら若手にもチャンスを与え続けて好成績に繋げた神戸の三浦淳寛監督も候補だった。

PHOTO GALLERY 「年間100試合撮影」カメラマンHが選出した「2021年J1ベストイレブン」
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4