■FWはもっとも簡単に選出できた
フォワードを選ぶことは最も簡単だった。レアンドロ・ダミアン、前田大然、家長昭博。この3人以外は考えられない。ここに関しては選択の余地はないだろう。仮に4人選べるとしたら候補として鹿島の荒木遼太郎が挙がるものの、3人の誰かと入れ替わることはない。
ダミアンは、ゴールのバリエーションが豊富なことからも川崎での充実を感じさせた。
シュート4本で1ゴールという高い決定力でゴールを積み重ね、得点ランク首位の22得点(※37節終了時点)。
それだけでなく、ディフェンダーを引きつける動きや最前線でのボールチェイスなど、チームへの献身を欠かさず、三笘薫と田中碧がいなくなりながらも手堅さを増して優勝へ突き進むことになった川崎の原動力だった。
個でゴールを奪える力と、チームの良さを引き出す力。どちらも併せ持っていることをシーズン全体で示し続けてみせた彼こそ、MVPに相応しいのではないだろうか。
家長についてはもはや説明不要だろう。別格の存在として君臨していることが当たり前の光景になっている。
体の強さと技術の高さを両方感じさせるキープに加え、冷静で的確なパスとシュート。相手がどんな試合展開に持ち込もうとしても、家長がボールを持てば川崎のペースになってしまう。
前田は、前線でボールを追いかけまわす良い部分を残したまま、ゴール前のスペースに走り込むフィニッシャーとしても大活躍。
22ゴールで得点ランク首位(※37節終了時点)に立ち、“ハードワークでチームを助ける選手”から“ハードワークとゴールでチームを勝たせる選手”に飛躍を遂げた。マリノスが優勝していれば彼がMVPだろう。