■鳥栖の元代表FW豊田が栃木に完全移籍

 7月16日にオープンする2021年の第2登録期間を前に、新加入選手の発表が相次いでいる。

 積極的な補強に動いたのは栃木だ。前半戦を4勝9分8敗の17位で折り返した田坂和昭率いるチームは、J1のサガン鳥栖から豊田陽平を獲得したのだ。

 36歳になった元日本代表FWは、20年シーズンに20試合出場で0得点に終わり、今シーズンも3試合出場でわずか8分に出場に止まっていた。得点も記録していない。J2のジェフユナイテッド千葉から鳥栖に加入してチーム得点王の山下敬大と、東京五輪代表の林大地が先発に収まっているFW陣で、序列を覆すのは難しい状況だった。

 一方の栃木は、37歳のベテラン矢野貴章、ブラジル人FWジュニーニョ、長崎から期限付き移籍中の畑潤基らが前線で起用されているが、J2残留争いに吸収されないためには得点力の向上が求められるところだった。国内屈指のストロングヘッダーとして活躍してきた豊田の加入は、FWの選択肢を厚くするとともに対戦相手の脅威となるだろう。

 期限付き移籍ではなく、完全移籍である。栃木でのパフォーマンスは、豊田自身の今後にも直結する。「まずは試合に出場して、自分の持っているものを出すことでチームに貢献したい」と話すストライカーのこれからに注目だ。

【後編へ】
  1. 1
  2. 2
  3. 3