【J2バチバチ攻防戦(2)】磐田・長崎が猛追、ついに「白星先行」ユン・ジョンファン千葉も逆襲へ!【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
ユン・ジョンファン監督(千葉)   写真:松尾/アフロスポーツ
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■スコアレスドローの京都が2位に後退

 J2リーグ第16節、アルビレックス新潟FC琉球の2位・3位の対決とは別の、今節もうひとつの注目カードは、勝点36で首位の京都サンガF.C.と5位のヴァンフォーレ甲府の対戦だっただろう。京都のホームスタジアムで行われた一戦は、0対0のスコアレスドローとなっている。全身がヒリヒリするような緊張感のなかで、両チームは勝点1を分け合った。チョウ・キジェ監督率いる京都は11試合負けなしとしたが、得失点差で新潟に首位を譲ることとなった。

 4位のジュビロ磐田は、ツエーゲン金沢を下して3連勝とした。磐田は11節から6試合負けなしで、3位の琉球に勝点1差まで迫っている。

 13節から遠藤保仁が復帰したことで、中盤にボールの落ち着きどころが増えた。得点ランキング首位タイの10得点をあげているルキアンの存在も大きい。さらに言えば、ディフェンスの改善が試合運びに安定感をもたらしている。14節の群馬戦から3試合連続で、クリーンシートを記録しているのだ。

 調子を上げてきたチームはまだある。

 5月9日の13節から松田浩監督が指揮するV・ファーレン長崎は、新体制になってから3勝1分けと勝点を重ねている。今節はレノファ山口とホームで対戦し、3対0で快勝した。新加入の都倉賢玉田圭司が、シーズン初得点を記録している。また、コロンビア人FWビクトル・イバルボも、今シーズン初めてピッチに立った。

 チームの2点目をあげた都倉は、「ここ何試合かすごく内容のいいサッカーができているなかで、勝利を決定づける追加点がなかなか取れていなかったので、今日の試合展開で取れたのは良かったですしし、僕自身ここまで取れていないなかで勝利に貢献できるゴールができたのは良かったです」と、試合後に充実感のある表情を浮かべた。

 両ベテランの得点が勝利を引き寄せたなかで、2種登録の安部大晴がJリーグデビューを飾った。本職のボランチではなく2列目の右サイドで起用された16歳は、ホームスタジアムで確かな一歩を踏み出した。

 長崎も守備が整備された。前監督指揮下ではクリーンシートがひとつもなかったが、松田監督の就任後は3試合で無失点を記録している。順位は前節と同じ7位だが、開幕戦以来の白星先行となった。上位との差をジワジワと詰めている。

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