■5月4日/J1第12節 川崎フロンターレー名古屋グランパス(等々力)
4月29日の同じカードから中4日で行われた川崎フロンターレと名古屋グランパスの首位攻防戦の第2ラウンドは、初戦に続いて川崎が先制した。31分、左コーナーキックをDFジェジエウが頭で合わせ、見事に名古屋ゴールを割ってみせたのだ。川崎戦の前まで12試合で3失点を1試合平均失点がなんと「0.25」という堅守を武器に戦う“赤鯱軍団”の精神を破壊するかのような先制点だった。
前半、流れの中でゴールを奪えなかったもののセットプレーで得点したあたりに王者の風格を感じさせるが、実は、流れの中でもゴールを奪うための作業を川崎イレブンは黙々と行っていた。その狙いは、相手の左右のサイドバックにあった。
名古屋の左サイドバックは吉田豊で、その前方にマテウスがいる。右サイドバックは成瀬竣平で、その前方にいるのは前田直輝だ。ポジションチェンジをするものの、川崎は基本的に左に三笘薫、右に家長昭博を配置する。この試合では、前半、左サイドでパスを回して崩す作業を行い、その分、左に重心を置いた。右は、三笘がドリブルで仕掛けやすいようにスペースを作ることが複数回見られた。名古屋の攻撃の最強カードはマテウスで、それを攻守で積極的にカバーする吉田とのコンビは強烈だ。左に人数を割いたのは、そこを押し込むこととカウンターを仕掛けにくい状況を作るためだったと考えられる。