■得点を生んだ試合中の分析力
当の三笘はというと、こちらも冷静。「前半から、(自分が)ボールを持ったときに相手のサイドバックが食いついてきていたので、(2点目の場面でも)食いつくかなと思った。(成瀬が)足を出してきたので、ターンしてスピードを上げれば勝てると思っていた」と、前半からの狙い通りであることを明かした。名古屋の右サイドバックは、初戦とこの試合で先発選手が入れ替わった部分でもある。その第一の使命は、“三笘止め”。それでも、三笘の分析力が上回ったことになる。この2点目は、三笘と山根の試合中の分析力が生んだゴールだった。
堅守の名古屋からまたしても複数得点を奪ったことで、名古屋は動揺する。59分に丸山祐市がランゲラックとのコンビネーションミスでオウンゴールをしてしまうなど、マッシモ・フィッカデンティ監督のチームらしからぬ事態まで起こした。早い段階で3点差としたことで、川崎はさらに大量得点を奪うことも考えられた。
しかし、実際の試合展開はまったく違う。名古屋のプレイドに火が灯ったこともあるが、川崎のここ数試合で見せる“癖”を、2位のチームは見逃さなかったということでもある。