■両チームに愛されるリカルドのサッカー
徳島はJ2からの昇格組。去年は破竹の勢いでJ2優勝を飾ったが、今年は7年ぶりのJ1ということもあり、開幕前にはどこまで通用するかが注目されていた。
連勝こそ今節でストップしたものの、前節までにはチーム史上初のJ1での3連勝を達成するなど、自信をもって自分たちのスタイルを貫いている。実際、浦和にとっても、徳島との一戦は直近の鹿島や清水よりも苦しめられた印象だ。
好セーブを連発し、クリーンシートに貢献したGK西川も、試合後、スタジアムで行われたヒーローインタビューで、「徳島は、(リカルド)監督が作り上げたチームということで絶対に負けられないという思い入れがあったが、試合をしながらとても難しい相手だと感じた」と、サポーターの前で相手チームを称賛した。
そして、試合後、徳島の監督代行を務める甲本偉嗣ヘッドコーチがリカルド監督と熱い抱擁を交わし、涙を見せる場面があった。
甲本氏は2011年から徳島のコーチに就任。リカルド監督のもとで共にチームを作り上げ、去年はJ1昇格へと導いた。今シーズン、徳島はスペイン人のダニエル・ポヤトス監督を招へいしたが、新型コロナウイルスの影響でチームへの合流が遅れていて、ヘッドコーチに就任した甲本氏が暫定的に指揮を執っている。