■4月11日/Jリーグ第9節 浦和レッズ―徳島ヴォルティス(埼玉)
浦和レッズと徳島ヴォルティスの試合は、終始、両チームがポゼッションを争う、非常に見ごたえのある一戦となった。今シーズンから浦和で指揮を執るリカルド・ロドリゲス監督は、2017年からの4年間、徳島を率いた。そんな指揮官にとっての古巣との対決は、ポゼッションを重視するチーム同士の一戦。互いの戦術を理解しているだけに、手の内を探り合うような試合運びとなった。
しかし、試合開始からまもなく浦和は予期せぬアクシデントに見舞われる。前半7分にMF武田英寿が左足を痛め、同11分に交代を強いられた。武田は直近の数試合にスタメンで起用されるなど、結果を出しつつあったなかでの負傷となってしまった。この負傷交代後、浦和はゲームプランが狂ったのか、直近2試合で導入されて手ごたえのあった4-1-4-1のフォーメーションがうまく機能せず、急遽、4-4-2の布陣に変更した。
その影響で前半は徳島が優勢だったが、浦和は選手同士の距離間や連携が悪く、ボールを収めることができないまま、守備に追われる時間が続いた。それでも、時間の経過とともに修正し、次第に攻撃を展開する。そして、0-0で迎えた後半、1つのセットプレーで決着がついた。後半15分、左CKの流れからMF関根貴大が今シーズン初ゴールを決めて、結局、これが決勝点に。浦和は3連勝で、リカルド監督の古巣相手の一戦を見事に制した。
リカルド監督は、武田の負傷交代後の対応について、「(MFの)柴戸のコンディションに不安があり、長い時間出場するのは難しいと判断し、(FWの)杉本を投入した。武田の負傷後から、システムを変更するなどチームも落ち着くことができず、なじむまでに時間がかかってしまった」と、振り返った。
それでも、「この試合の前から、細かいディテールが勝敗を分けると思っていたが、それができた。前半は集中して守備ができたし、後半には次第にボールが持てるようになった。選手たちのコンディションや戦うところ、球際の強さや連携など精度は上がってきている」と、チームの成長を評価した。