■公式戦11試合のうち7試合で先発した3トップ
だが、この“対策”を川崎は攻守両面で粉砕してみせる。8分に家長が先制点を奪ったことで青赤の守備の狙いを崩し、FC東京の前半のシュート数を1本に押さえたことで、攻撃のイニシアチブを渡さなかった。
この背景には、逆に、川崎のFC東京対策があった。川崎は、前節・サガン鳥栖戦で家長と三笘を先発から外し、疲労を軽減させていた。しかも家長は、出場時間はわずかに10分。この試合も入れて今季の公式戦11試合のうち7試合で先発した3トップを、多摩川クラシコに送り込んだ。
逆にFC東京は、FWディエゴ オリヴェイラ、FWアダイウトン、FW田川亨介という3トップで直近3試合を戦って2勝1分と結果を出していたが、この試合では田川とアダイウトンがベンチスタート。いわば“A面3トップ”をこの試合に送り出すことができなかった。
「大事な試合だというのは、周りからも監督からも言われていた」と試合後に家長が明かしたように、この一戦に懸けていた鬼木達監督の采配はずばり当たり、3トップは4得点2アシストをたたき出した。川崎にとって、FC東京戦は4月7日の鳥栖戦の段階ですでに始まっていたのだ。そして、「川崎のFC東京対策」が「FC東京の川崎対策」を上回っていたことにもなる。