■前節・鳥栖戦とは違った展開

 この早い先制弾が、チームの動きを軽くしたことは説明の必要もない。前節・サガン鳥栖戦では、チャンスを作りながらもなかなか点数を奪えないうちに、試合を難しくしてしまった。その結果、この試合で奪った点数はわずか「1」。それも、アウェイチームに退場者が出てからのことだ。敵地でのダービーマッチを戦ううえで、8分の先制ゴールはチームを勢いづかせた。

 そして、追加点を奪ったのも家長だ。17分、再びレアンドロ・ダミアンから、今度はグラウンダーのボールを右サイドで受けると、そのボールをダイレクトで左足シュート。まるで、味方にパスをするかのような軽いステップで振り上げたボールは、きれいな弧を描いてゴールに吸い込まれたのだ。家長の2得点は、大量得点の予感すら感じさせる“力”のあるプレーだった。

 その後、23分にFW三笘薫が決めたかに見えたゴールはVARで取り消しとなったものの、家長の2点をリードして前半が終了。川崎が7本のシュートを撃ったのに対し、ホームチームが撃ったシュートはなんと1本。攻守に圧倒して45分間を終えたのだ。

 東京は後半アタマからFWアダイウトンを入れて反撃ののろしを上げる。その快速ストライカーが59分に1点を返して青赤のサポーターに期待を抱かせたが、それを封じたのが三笘だ。61分、DF山根視来からの長いボールを一度は奪った相手ディヘンダーから三笘がすぐに奪い取ると、そのままゴールネットを揺らしてみせた。

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