■4月11日/J1第9節 FC東京2―4川崎フロンターレ(味の素)
17勝9分10敗。
これは、1999年4月に行われた初対戦以来、4月11日の試合より前の「多摩川クラシコ」の川崎から見た通算成績だ。36回の激突で川崎が大きくリードしているが、昨年10月に行われたYBCルヴァンカップの準決勝で、0-2で敗れた例もある(カップ戦は通算成績に入れていない)。37回目は、1万7615人の観衆が見守る中で行われた。
ダービーマッチというものは、欧州のそれほどではないせよ、どこか選手やチームを固くさせるものがある。周囲の期待とあおりが、球際を激しくする。そのため試合運びも思い通りにはいかなくなり、実力差がその通りに反映されないこともままある。試合前における川崎の順位は1位(勝ち点25)で、FC東京は6位(勝ち点15)。王者・川崎と言えど、難しい展開もありえた。
しかし、結果は4-2だった。2失点して2点差に追いつかれたものの、内容では圧倒した。ダービーマッチで、実力差を存分に見せつけたのだ。その要因の一つが、先制点を奪った早さだ。
この試合でスコアが動いたのは、開始からわずか8分のこと。MFジョアン・シミッチからの縦パスをペナルティエリア前の中央で受けたFWレアンドロ・ダミアンは、浮き球のパスを左サイドに送る。そこにいたのは、右ウイングで先発したFW家長昭博。家長は、日本代表・小川諒也の裏を取ると、ダミアンからの浮き球をヘディングでゴールネットに突き刺したのだ。