■未熟だったサイドバックの攻撃参加

 しかし、もちろん今シーズンも横浜FMのSBは後方で大人しくしているわけではない。一昨年に比べて攻撃参加の回数は少なくなっているが、機を見て最前線まで攻め上がるのが実に効果的だ。浦和戦では、とくに右SBの松原健が積極的に攻撃に絡み、時には最前線まで飛び出して前田とツートップを組むような形になっていた。一方、左サイドで攻撃を組み立てるSBのティーラトンは前半のうちに筋肉系のトラブルで交代してしまったが、後半の55分にマルコス・ジュニオールのクロスに合わせて3点目を決めたのは、ティーラトンに代わって入った小池龍太だった。

 やはり、横浜FMのSBの攻撃参加は相手にとっては大きな脅威なのだ。

 ただ、「SBの攻撃参加」であれば、浦和のリカルド・ロドリゲス監督もけっして負けてはいない。徳島でその役割を担当したのは、藤田征也だった。

 昨年、同監督の下でJ2リーグに優勝して昇格を決めた徳島ヴォルティスも、SBの攻撃参加を武器にしていた。

 横浜FMとの試合でも、浦和の右SBの宇賀神友弥は、横浜FMの松原と同じように、あるいは松原以上の頻度で最前線に攻め上がっていた。そして、杉本健勇と並んでトップでプレーする場面も何度かあった。

 その場合には、ツートップの一角の小泉佳穂や右サイドハーフの明本考浩がポジションを下げて、宇賀神が上がった後のスペースをカバーするのだ。そのあたりも、昨年の徳島ヴォルティスと同じような動きだった。

 つまり、横浜FM戦は完敗を喫したものの、ある意味でいかにもR・ロドリゲス監督らしいサッカーの片鱗を見せた試合でもあったのだ。

 ただ、新しいサッカーに挑戦し始めたばかりだけに、浦和の完成度はまだまだ低く、横浜FMのスピーディーな攻撃に付いていけなかった。また、宇賀神はもともと左SBでプレーすることが多かったし、タッチラインを背にして戦うのが得意な選手だけに、せっかく攻撃参加しても、インサイドハーフあるいはトップとして効率的なプレーができなかったのである。

※第2回につづく

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