■横浜F・マリノスが驚異のハイプレス全開
3月14日の第4節では、浦和は一作年の覇者、横浜F・マリノスと対戦した。しかし、前半の立ち上がりから積極的に仕掛けてきた横浜FMに圧倒されてしまい、時計の針がまだ2分を指す前に中盤でプレスをかけられてボールを失い、扇原貴宏からマルコス・ジュニオール、仲川輝人とつながれて、最後は仲川のクロスに飛び込んだ前田大然に決められ、あっさりと先制を許してしまう。さらに、26分にも自陣深い位置でパスをつなごうとしたところにプレスをかけられて再びボールを失い、マルコス・ジュニオールのクロスの折り返しをまたも前田に決められてしまった。
いずれも、相手にプレッシャーをかけられて自陣の深いところでボールを失っての失点だった。攻撃全開の横浜FMのスピードにもまったく付いていけていなかった。
ただ、可能性を感じるプレーはあった。サイドバック(SB)の攻撃参加である。
SBの攻撃参加といえば、横浜FMは“本家”のような存在だ。
一昨年、アンジェ・ポステコグルー監督が就任して1年目に超攻撃的サッカーで優勝した時の横浜FMの最大の特徴は、両SBがインサイドハーフのような位置まで上がってフィニッシュに関与する分厚い攻撃だった。
ところが、2年目の昨年はそのあたりを対戦相手に分析されて、SBが上がった裏のスペースを狙われてしまった。そのため、今シーズンの横浜FMはSBの攻撃参加についてはやや自重気味だ。その代わり、高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターが最大の武器となり、さらに前田のスピードが相手守備陣に脅威を与えている(つまり、浦和の失点はまさに横浜FMの狙い通りのゴールだった)。