スペイン人のリカルド・ロドリゲスを監督に迎えて新たなスタートを切った浦和レッズが、対戦相手によってさまざまな顔を見せている。いろいろな組み合わせ、やり方を試しているのだろう。まだ良い時と悪い時の違いが大きいし、完成度の低さから結果には結びついていない。では、そこにはどのような可能性があるのか。代表ウィークに入る前の3試合を取材した――。
■ 完敗の試合で浦和レッズが見せた可能性
日本代表の活動を前にした3月20日、21日にはJ1リーグの第6節の試合が行われたが、首位を走る川崎フロンターレは埼玉スタジアムで行われた浦和レッズ戦で5対0と快勝。ひさしぶりに、その攻撃力を爆発させた。
前半は浦和もけっして悪い出来ではなく、互角の展開が続いていたのだが、前半終了間際の42分に日本代表に初選出されたばかりの山根視来のクロスに合わせた小林悠がヘディングでうまくゴール右隅に落として1点を先制すると、後半の立ち上がりには一挙に3連続得点して浦和を突き放した。
直近の2試合では、柏レイソル戦、ヴィッセル神戸戦とそれぞれ1得点にとどまっていた川崎の攻撃力が一挙に爆発した形だ。
一方、大敗を喫した浦和だったが、小林に決められるまでは川崎と互角の試合を展開しており、けっして90分を通じて拙い試合をしたわけではなかった。
ただ、時間帯によって、良い状況と悪い状況の振れ幅があまりにも大きかった。時間帯によっても、あるいは試合によってもさまざまな“顔”を見せてしまう……。それが今の浦和レッズなのである。
リカルド・ロドリゲス監督就任から時間が経っていないので、完成度は低いのは当然だが、同時に一定の可能性を見せてくれているのも事実であり、今の浦和は非常に評価が難しい。
最近の1週間、僕はたまたま浦和レッズの試合を3試合続けて観戦したので(第4節の横浜F・マリノス戦、第5節の北海道コンサドーレ札幌戦、そして第6節の川崎戦)、今週はそのあたりを考えてみたい。