■鬼木監督の采配にも影響を与える

 そして、川崎の10番を背負う大島僚太は、2月23日のトレーニングで右腓腹筋肉離れを起こし、全治12週間程度とチームが発表している。川崎の攻撃にさらにアイディアを加えられるファンタジスタの復帰まで、もう少し時間がかかる見込みだ。

 2020年シーズンを圧倒的な強さで勝ち抜いた川崎フロンターレだったが、過密日程の中で負傷者は最小限に抑えられたことも、要因として大きかった。長谷川竜也齋藤学が離脱したものの、同ポジションで三笘薫や旗手が台頭もあった。今季も遠野大弥が広島戦まで3試合連続で先発し、ここまで3得点をするなど新戦力となっているが、それ以上に、離脱者が多い。

 鬼木監督の昨季の勝ち方の一つに大胆な交代策があった。試合の流れを変えると同時に選手の疲労軽減を図る効果があって、それが好循環となっていた。離脱者の増加は、その循環を抑止することにもなりかねない。結果、離脱者が離脱者を呼ぶ可能性すらある。

 幸いなことに、名古屋戦2連戦まで川崎は中10日という休養期間を得る。この期間でいかにうまく体をケアできるかも、王者に課せられた“戦い”だ。“昨季の川崎”を超えるために、この最初の関門を乗り越えてみせる。

PHOTO GALLERY ■【画像】サンフレッチェ広島と戦った川崎フロンターレの写真全59枚■
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4