2021年シーズンが幕を開ける。今シーズンの日程は2回の中断期間があるのが大きな特徴だ。もし、トップクラスのチームが、ACLによる過密日程の影響も受けずに、この中断で中心選手のコンディションを保てるとしたら——。全20チームを確認すると、そんな条件に当てはまるクラブが3つある。鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、そして、昨年から質の高いサッカーを披露してきたサンフレッチェ広島だ。
■勝利と敗北の紙一重の差を予想する
優勝サンフレッチェ広島。2位横浜F・マリノス、3位鹿島アントラーズ。優勝はこの3クラブから出るのではないか。もうひとつ「保険」をかけておくとすれば、FC東京か———。
最初にお断りしておくが、私は「予想」が苦手だ。20年間totoを続けてきて、成果らしい成果がないのが、それを見事に物語っている。ひとつの試合を考えるとき、どのような試合になるかは想像がつく。チームの状態、両チームの監督が立てる試合のプランを考えれば、試合の流れはかなり見えてくる。しかしサッカーという競技は、そうした試合の流れと結果が一致しないことで、他にあまり例を見ないゲームだ。
原因は、幅7.32メートル、高さ2.44メートルというゴールの小ささと、その前に立ちふさがるゴールキーパー、そしてそのゴールに主として足を使ってボールを送り込まなければならないという制約にある。見事な攻撃を展開して次々とチャンスはつくっても、それを決められるかどうかは紙一重。そのほんのわずかな違いが大きな差になって出てしまうのがサッカーという競技なのだ。だから試合の流れは想像できても、結果を「予想」するのは至難の業なのだ。
まず今季の特殊条件について。昨年降格がなかったため、今季のJ1は史上初めて20クラブ制となった。1クラブあたりの試合数は、例年の34試合から38試合へと4試合増える。そして来季18クラブに戻すため、今季のJ1からJ2への降格は4クラブとなる。これは非常に厳しい条件であり、多くのクラブに重くのしかかる。
Jリーグは世界でも珍しい力の均衡したリーグで、優勝争いをしているクラブが残留争いのクラブに負けてもまったく不思議ではない。だがそうは言っても、現実には、4つほどのグループに分かれるのではないか。優勝を争うグループ(シーズンを通じて高いパフォーマンスが期待できるグループ)、あわよくば上位に食い込もうというグループ、残留争いとは早いうちに縁が切れるが、上位進出は難しいグループ、そしてシーズンを通じて残留のために必死にならなければならないグループである。