■J1個人昇格アタッカーの”目玉”はこの4人
自らが所属するチームはJ2からJ1への昇格を逃したものの、個人的にステップアップを果たした選手は多い。昨年なら坂元達裕がモンテディオ山形からセレッソ大阪へ引き抜かれ、主力として機能した。さらに、アルビレックス新潟でJ2得点王となったレオナルドは、浦和レッズでチーム最多の11得点を記録した。
彼ら以外にもFW一美和成(京都サンガF.C.→横浜FC、いずれもガンバ大阪からの期限付き移籍)、MF小屋松知哉(京都→サガン鳥栖)、MF仲間隼斗(ファジアーノ岡山→柏レイソル)らが、J1の舞台で力を示した。
今シーズンも注目すべき“個人昇格”が多いなかで、以下の4人をピックアップした。
2019年の20位から10位へと順位を上げた昨年の栃木で、大卒1年目にして中心的な役割を担ったレフティーである。
開幕当初は4-4-2の右サイドハーフで起用されていたが、2トップの一角へポジションを移すと攻守両面でチームに欠かせない存在となっていく。カウンター発動の担い手としてボールを運んでいき、個人でも局面を打開していった。21節の京都戦ではハーフライン付近でスルーパスを受け、そのままひとりで持ち込んでゴールネットを揺らした。
利き足の左足はパンチ力と精度を兼ね備えており、直接FKのキッカーも担う。7得点は矢野貴章と並んでチーム最多タイで、8アシストは単独トップだ。栃木の総得点41の3分の1強に関わったことになる。
ディフェンスの局面でも目が離せない選手だ。最前線からプレスを仕掛け、ゲームの終盤になっても二度追い、三度追いを繰り返す。“走る栃木”の象徴的存在となった。
新天地の浦和は、前徳島ヴォルティス監督のリカルド・ロドリゲスが率いる。徳島で見せたサッカーをそのまま持ち込むとすれば、複数のシステムを使い分け、戦術には前線からのハイプレスも含まれる。2列目と2トップ、さらにはボランチにも対応する明本は、“リカ将”と呼ばれるスペイン人指揮官のもとで重要な役割を担っていくに違いない。