■国内スタジアムにおける照明の最新事情

 ところで、アジアサッカー連盟(AFC)はことしからスタジアムの諸基準を改め、より高いスタンダードを求めている。そのなかで、ピッチの照度の基準も大きく引き上げられた。昨年までAFCの公式戦は「1200ルクス以上」ということになっていたのだが、ことしから試合のカテゴリーを5つに分け、それぞれ必要とされる照度を定めた。

 それによると、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフは「カテゴリー4」で1400ルクス以上、ACLのグループステージから準決勝までは「カテゴリー3」で1800ルクス以上、ACLの決勝戦は2000ルクス以上、そしてワールドカップ・アジア最終予選は2400ルクス以上。Jリーグの基準は1500ルクス以上なので、国内のスタジアムの多くはそれに従った照明が使われている。ではACL出場4クラブはだいじょうぶなのか?

 ご心配なく、国内の主要スタジアムは一昨年のラグビーワールドカップ、あるいはことしに延期された東京オリンピックのために照明も一新され、この条件はすでにクリアできている。また、そうした大会に使われなかったスタジアムの多くも、CO2削減を目的とした近年のLEDランプへの切り替えにより、すでに十分な照度が得られているという。

 私は、個人的には、青空の下の試合が好きだ。気温は高くもなく低くもなく、気がつくとそよそよと風が吹いているようなところで好試合を見ることができたら、至上の幸福感を感じるだろう。でもそんな試合は1年にいちどあるかないか。雨の試合もあるし、吹き荒れる寒風のなかでじっと耐えなければならない試合もある。

 「青空の下の試合」でないなら、ピッチの緑が映える美しい「カクテル光線」のなかでの試合がいい。ナイターだと、よりピッチ上のプレーに集中できる気がするし、試合のスピード感も増すように思う。でも停電になったら? そのときにはあわてず、石川のFKのときのイングランドGKの心境や、甲府の大木監督の言葉を思い出しながら、じっくり待つことにしよう。

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